うつ患者ブログ

うつ病(双極性障害)の患者が書いているブログです。病気やお金のことなどを書いています。

本:やまない雨はない

本の内容

お天気キャスターの倉嶋厚さんが、奥さんに先立たれてうつ病になっったこと。そして、うつ病の闘病記(通院、入院、回復)や、倉嶋さんと奥さんとの二人三脚の人生(出会い、結婚、病気、別れ、など)について書かれています。

感想

私は、うつ病と診断されてから、すぐにこの本を読みました。そのときは、倉嶋さんの言っていることは分かったんですが、納得はできませんでした。「自分は倉嶋さんのように良くならないし、絶対に治らない。」という考えが、自分を支配していました。

それから、2年くらい経過して、また読みなおしました。すると、当時とは異なる考えや感想が出てきました。印象に残った倉嶋さんの言葉をお借りしながら、以下に感想をまとめていこうと思います。

1. 時間が解決する

倉嶋さんは、奥さんに先立たれてから、他の人に「1年半まで耐えてみろ」とか「3回忌まで我慢しさえすれば」と言われたそうです。でも、当時はそれを信じることができず、「他の人と自分の場合は違う、だから良くならない。」と考えていたみたいです。しかし、苦しい時期を通り過ぎると、倉嶋さんも「苦しみは3回忌まで」と他人にアドバイスできるようになったそうです。

私がこの本を読んだとき、私のうつ病は本当にひどい状態でした。なので、倉嶋さんの「時間が解決する」という言葉は信じられませんでした。ですが、今は「確かに時間が解決することもある」と思えるようになっていました。そして、時間が経てば経つほど「本当に時間の力はすごい」と思っています。

ただ、時間を経過させるためには、他の人の力や、医療の力が必要です。このことは、倉嶋さんも同じように言ってました。うつ病になったら、助けを求めることが大事です。

2. 質の違う力

倉嶋さんは、閉鎖病棟に入院して、自分で努力することを止めたようです。

"入院してしまえば、すべてをおまかせするしかありません。他力本願です。自分は何もしないでただ祈っているだけで、こう努力しなければならない、ああ努力しなければならないという自意識はすべてなくなりました。"

すると、少しずつ質の違う力が生まれてきたようです。

"落ちるところまでおちたとき、初めて至ることのできる境地とでもいうのでしょうか。すべての力を失うことで生まれてくる勇気というか、悟りというか、それまでとは質の違う力が、その頃、私自身も知らない間に少しずつ蓄えられていったのではないかと思います。"

倉嶋さんは、これらの文章とは違う個所で、「諦め」という言葉を用いていました。私は、その個所を読んだときに、「質の違う力」というのは、「諦めの力」だったのかなぁ?、と思いました。

本当に、この「諦め」というのは、すごい力です。小さい時から「頑張ること」や「諦めない」ということが美徳だと思ってきましたし、世の中にはそれを尊ぶような文化があると思います。しかし、「諦めの力」でしか解決できないものがあります。

3. 今がいちばんいい

「今がいちばんいいとき。妻はもういないけれども、今がいちばん。」と書かれていて、本当にすごいなと思いました。

私なんかは、まだその境地には達していません。ですが、倉嶋さんの境地も少し分かるような気がしています。

うつを発病した当時の私は、過去に戻りたくて戻りたくて、どうやったら戻れるか、ということばかり考えていました。今は、過去が良いことばかりだったとは思っていないですし、戻りたいと思うことがなくなってきました。あと、もう過去には戻れないんだと諦めています。

読み返しの勧め

この本には、うつ病の人が共感できることがたくさん書かれています。そして、医療の大切さや、入院の体験談、回復後の話も書かれています。うつ病で苦しんでいる人や、うつ病が良くなってきた人にも、お勧めです。

また、人間の考えは、少しずつ変わっていくものです。病気がひどいときは分からなくても、時間が経ってから分かることもあります。だからこそ、繰り返し読むことをお勧めします。

私もまたいつか、時間が経ったら読み返そうと思います。